鮨処いとう

『かに』の話
明太子の名前の話
茄子・鯖二つの意味
鮑と熨斗袋
うなぎの話
まな板の話
包丁の話
助六の話
盛り塩の話
新子の話
「鰹」、「桜」「旬」
新年特別企画<談話‐月間コアより>
すし屋で使う言葉
「マグロ」 第2話
「マグロ」 第1話
「シャリ」
呼び名の由来「お刺身」
呼び名の由来「かっぱ巻き」
呼び名の由来「鉄火巻き」
「すし」の漢字と江戸前
「マグロ」第2話

世界の鮪
今から十数年前、私はいろいろな国で寿司を握って来ました。サンフランシスコで仕事をしていた時のことですが、アメリカ東海岸では質の良い本鮪が大量にあがっているのにもかかわらず、米国内には殆ど入荷されませんでした。市場の人に聞いてみたところ、アメリカであがる良い鮪の殆どは、日本に輸出されているとの事でした。日本での取引相場がアメリカの5〜10倍高いという事を聞き、仕方ないと言えば仕方ないのですが、せっかく現地で捕れた鮪が手に入いらないとは残念な気持ちになりました。
逆の話ですが、ヨーロッパの台所と呼ばれるパリのランディス市場では、地中海であがった200Kg程の本鮪に出会いました。知り合いの料理長が一本買いをして、おろす際に立ち会いましたが、日本の近海であがる本鮪にも劣らない位素晴らしい鮪で、値段の安さには更に驚かされました。その時に食べた中オチ(中骨についた身をスプーン等でかいた物)の味は今でも忘れる事ができません。余談ですが、湾岸戦争の数年後、地中海であがった本鮪を仕入れましたが、石油臭くて食べられませんでした。悲しいことですね…。

 

「粋」な食べ頃 
「究極の本鮪」といえば、晩秋に日本近海を北上して津軽 海峡であがる鮪が最高と言われています。何年か前の初競り では、お正月の御祝儀価格とはいえ、一本の鮪に約2,000万円という高値がつきました。驚きですね。
以前サイパンでバチ鮪を釣ったことがあります。鮮度の良いうちにおろそうと思って包丁を入れたのですが、身が硬くておろす事が出来ない位、筋肉が締まっていました。何とか刺身にして食べましたが、硬すぎて味も食感も最悪でした。やはり鮪は数週間ねかさないと良い味が出ませんね。
シドニーで80Kg位のバチ鮪を仕入れましたが、厭みの無い脂で味もあっさりしていて、ひじょうに食べやすい鮪でした。以前どこかで食べた事がある味だな…と思い返すと、ハワイで食べた時の味とそっくりでした。
同じ鮪でも北半球と南半球では味が違ういうことを感じました。シドニーでは値段もリーズナブルなので「シャリ」が全く見えない程中トロを載せて鉄火丼を何度も食べていました。日本では考えられませんね。

次回は「がり」、「むらさき」など鮨用語についてお話したいと思います。

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