鮨処いとう

『かに』の話
明太子の名前の話
茄子・鯖二つの意味
鮑と熨斗袋
うなぎの話
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助六の話
盛り塩の話
新子の話
「鰹」、「桜」「旬」
新年特別企画<談話‐月間コアより>
すし屋で使う言葉
「マグロ」 第2話
「マグロ」 第1話
「シャリ」
呼び名の由来「お刺身」
呼び名の由来「かっぱ巻き」
呼び名の由来「鉄火巻き」
「すし」の漢字と江戸前
「茄子」「鯖」の話 −二つの意味−

「秋茄子は嫁に食わすな」って言う諺(ことわざ)があります。  
  夏から秋にかけての茄子は夏野菜ですごくおいしいんですよね。姑が「こんなおいしい茄子、うちの嫁なんかに食べさせてなるものか」と言う嫁いびりの意味。また、夏野菜は灰汁(あく)も強くて、体を冷やす、嫁が妊娠中の場合、お腹の子供に何かあったらまずい、という姑の嫁に対する優しい思いやり。この二つの意味があるらしいですよ。
   ついでに、もうひとつ。秋には鯖(さば)に脂がのっておいしいですよね。
   「鯖を読む」って言いますが、だいたいの人は、いい加減な数え方のことであるとご存知でしょう。なぜかというと、鯖は、今は高級魚ですが、昔は「バケツ一杯でいくら」、「一箱でいくら」という大雑把な売り方をしていたからなんです。
 女性でも、年齢を尋ねられて、それほど若くないのに「二十二歳です」なんて答える人いますよね。そんなとき、「サバ読むんじゃないよ」って言いますでしょう。
 でも、「鯖を読む」には、これと逆の意味もあるんです。鯖は、「鯖の生き腐れ」と言うぐらい、鮮度の落ちるのが早い魚なんです。
 「いち、に、さん」と油売りじゃあるまいし、数をのんびり数えていたら、その間に初めのころに数えた鯖は腐ってしまう、と言うほどです。つまり、「速く正確に数えなければならない。だらだら仕事しちゃだめだ」という意味になるんです。
 ですので、ちんたら、ちんたら、お寿司を握っていたら、「鯖読んでんじゃないよ」っていう言い方もできるってことですね。  昔の人は賢かったんでしょうね。諺でも何でも、このように、どちらの意味にも転ぶようにできているものがあるんですね。  そういえば、「一石二鳥」なら、石を一個投げて二羽の鳥を落とす、つまり「一つの事をして二つの利益を得ること」という意味。一方では、「二兎を追うものは一兎も得ず」って言いますでしょう。これは、「同時に二つのことをしようとする者はどちらの成功も得られない」という意味ですよね。本当に昔の人には頭が下がります。

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